それは日曜の午前から午後に移った頃のこと。 32インチの画面の上で明滅するのは、多くのいたいけな少年をいともたやすく絶望させるアルファベット8文字。 「……無理ゲー」 八つ当たりにも飽きた悟浄は、そう呟いてコントローラーを投げ出すしかできない。 中学生の頃は最新の携帯ゲーム機、高校生の頃はスマートフォンなんかをやたらと欲しがって捲簾にねだったものだが、聞き入れられなかった。家にある娯楽といえば捲簾が少年期から大事に持っている、液晶テレビには不釣り合いな二世代ほど前のテレビゲーム機と二本のソフト。よく二人で遊んでいた格ゲーは先週ついにデータがイカれた。 昨晩寝つけなかった悟浄はもう一本のRPGに初めて手をつけ、腹拵えやシャワーの時間を除けばぶっ続けで進めてしまったのだが、クリア目前のここにきて謎解きが分からずかれこれ二十分詰んでいる。物が古いせいか攻略サイトなんかも見つからず、尽くす手がない。 やめやめ、と悟浄は早々に諦め、一旦テレビの電源を切って立ち上がった。しかしこれでは十一時間の冒険が報われない。さっき出かけてしまった捲簾以外に頭脳派と呼べる身内の一人でもいれば、 「あ」 一人、居た。 『はい?』 「な、今日ヒマだったりする?」 『ええ。図書館に居たんですけど、今しがた近くのスタバに入りまして。この後は特に決めてません』 「じゃ近いじゃん。うち来ねえ? ゲーム手伝ってほしいんだけど」 『僕にできることなら……』 そこでふと、八戒が一瞬言葉を止めた。 『……ひとりなんですか?』 「そ。捲簾は出かけた。多分そのまま仕事」 『そう、ですか……』 八戒は電話口の向こうで何か考え込んでいるらしい。が、悟浄が何か言う前に自分で沈黙を切り上げてしまう。 『じゃあ、30分ほど後に』 「おっけー」 ぱたん、と携帯を閉じてテーブルに置く。メッキが剥げた黒と銀のそれは、高校入学時に捲簾が買ってくれたもの。そういえばあんなに欲しがっていた新しい携帯はいつの間にかどうでもよくなってしまった。今の悟浄ならバイト代で買えないでもないのだが、なんとなく今更これを手放しがたい。 先に何か食っておこうとカップ麺を漁り始めた頃、やっと悟浄は八戒の逡巡のわけを分かりだした。 思えば二人で会うのは先週八戒が泊まった「あの日」ぶりだ。そのうえ自宅、そのうえ二人きり確定。八戒が気まずいのも当然だろう。 機械的な動作で湯を注ぎ閉じた蓋の上に別添のスープの袋を載せた後、悟浄はソファに寝そべった。 「……いや、まさかなあ」 残暑も去って丁度良い気温。天気は呆れるほど良く、レースカーテン越しに差す日光で部屋は明るかった。ベッドも無い部屋で、こんな明るい時間にそんな雰囲気になることはそうそうない。 何もない何もない、と心の中で呪文のごとく唱えているうちに、柔らかい陽射しの中で悟浄は眠りに落ちた。久しぶりの完徹に、身体は耐えられなかったらしい。 「っ、ん」 絡む薄い舌と唾液の感触の中、息まじりに高く微かな声が聞こえた。 悟浄が目覚めたのはその時だった。 「……はっ……かい? ……なにしてんの」 舌を放した悟浄が呆け顔で口許を抑えると、八戒は一瞬きょとんとしたのち――心底呆れたと言わんばかりの溜息をついた。 「……悟浄」 「へ」 「貴方って人は、馬鹿ですか」 悟浄が混乱して何も言い返せずにいると、八戒は詰るような口調で一息に経緯を語った。 チャイムを押しても全く反応がなく、鍵が開いていたからとりあえず入ってきたら悟浄が居間のソファで熟睡しており、起こそうかと顔を近づけたら寝ぼけた悟浄のほうから勝手に引き寄せてキスしてきたのだ、と。 「……あー」 「呆れた。ほんとに無意識だったんですか?」 「多分いつものクセ、かなー……?」 言った後で悟浄は後悔した。再び深く息を吐いた八戒の顔が、今度は明確な怒りを湛えていたから。 「……『いつも』どこでどなたと遊んでるかなんてことはこの際とりあえずいいですよ、置いておきますよ、でも」 身勝手な唇を戒めるようになぞって、もどかしげに八戒は言う。 「こういうことされて、何もなかったように二人きりで居られるほど……貴方に余裕ないんです、まだ」 伸ばされた手がTシャツの中に潜る。腹を恐々と撫でる冷たい感触で眠気がすっかり醒め、悟浄の目が見開かれた。 「ひとがどんな気持ちで来たか分かってるんですか? ……今日は、何もしないつもりだったのに」 「う……」 声を洩らす口許をまた指がしつこく責め立てる。悟浄は気まずそうに目を逸らす。気づけば八戒はソファに上がり、すっかり覆い被さっていた。無理に押さえつけられてはいないし、仮にそうでも振り払うのは造作もない。なのに拒めないのは自分の失態が原因だからか、迫られると断れない気性のせいか、それとも。 「……悪かった」 悟浄はやっとそう言うと、自分の指を絡めてその手を退けた。間もなく上から唇が重なり、くりかえすキスの間に八戒の手が悟浄のシャツをすっかり捲り上げた。 更に八戒はふたつの唇の間に人差し指を一瞬あてがってから、晒された突起の左のほうを軽く摘みあげる。唾液で濡れたまま表面を滑り、執拗に弄くり回す指の腹。指の間に挟みこんで、胸に吸いつき円を描いて撫でまわすてのひら。 無い胸を揉むようなその手つきが厭だと前回散々言った筈なのに、八戒はまるで聞いてはいない――というより寧ろ、悟浄がやめろと言えば言うほどねちっこい戯れを引きのばす。 「……なぁ、そーゆーのいい……って、」 離れた唇が間髪入れずもう一方を吸いあげて舌先で転がすから、悟浄の語尾が不自然に上がる。左をきゅう、と摘まれながら右を甘噛みされると、名を呼ぶ声が少し上擦って、求めるような淫靡な響きに反転してしまう。 「でも、ねぇ、上だけでこんなに」 八戒は滑らかな布越しに軽く反応している部分を撫で、弄ぶくちびるの隙間から嘲笑う。が、いよいよ腰元に手をかけたところで何かに気付いたように身を固め、徐に身を起こした。 「八、戒?」 「……そういえば、何も準備してきてないんですけど」 何を、と問いかけてから、悟浄はすぐ察して黙った。 八戒はソファから下りると前傾気味にふらふらとキッチンの方向へ歩き、「あっ」と何か発見したらしい声をあげてすぐに戻った。 手にしたのは、放置されたカップ麺の上に載っていた液体スープ。 「これとか」 「ぜってーヤダ」 「何ならいいんですか」 「ナニってお前、えぇー……なんかもっとありそうじゃん、ハンドクリームとか……あるか分かんねえけど」 「……じゃあもうこれでいきます」 「はぁ!? ッちょ、待……」 ぴっ、と無情にもマジックカットの袋が横に裂ける。忘れかけた空腹を呼び覚ます香ばしい匂いがふわっと漏れ出て、瞬く間にひろがった。 「バカ見ろお前部屋中に食欲をそそる香りが!!」 「この際仕方ないでしょう反対するなら具体的な代替案を提示しろって習いませんでした!?」 ――なんでちょっと泣きそうな顔してんの、それで何でも許されると思ってんの、お前常識人ですみたいなツラしといて切羽詰まると大分理不尽なとこあるぞ実際。 などと悟浄が思ったところで、こういうときの八戒相手には口が裂けても言えないのだった。 「何度でも言いますけど今もほんとに余裕ないんですよ、正直に言えば今すぐ貴方に――」 そこで悟浄は八戒の発する言葉にあるまじき表現の羅列を以て自分に対するとんでもない妄想を聞かされたような気がしたが、捲し立てられたのでよく解らなかった。から、聞かなかったことにした。 「……でも前のことにしても、気の迷いだとか一回きりの間違いだとか思われてたらって、ずっと」 ふぅ、と八戒は自分を落ち着かせるようにゆっくり息を吐いて続ける。 「本気で嫌がられるのは、こわいですよ。だからせめて痛くないように悦くしたいんです、当分は」 やたらに優しくされるのは辛いが酷くされるのも本意ではないから、悟浄は言い返せない。「当分は」という補足が非常に引っ掛かったが。 「……はいはい、わかったって」 観念した悟浄がうつ伏せになろうと一旦身を起こすと、先んじて八戒がそれを制した。肩を掴み、元通りの仰向けに寝かせなおす。 「かわいい顔、もっと見せてくれてもいいでしょう?」 微笑んでわざとらしく告げてから、少しの間をおいて。付け足すというよりは打ち消すように。耐えきれず本音をこぼすように、せつなげに眉を寄せた八戒が乞うことには。 「……最後までちゃんと、僕を、見ててください」 あまりにも切実な声音に悟浄は面食らった。 そして先週のことが、改めて呼び起こされる。後ろから丁寧に身体を慣らしつつゆっくり侵入ってくる男の顔が見えない不安感と、態度で抗いつつも羞恥と快楽に染まる情けない顔を真っ向から見られない安心感。相反する思いは拮抗しながら、それでもやはり安心のほうが勝っていたように思う。それを。 「……正常位てコト?」 悟浄が一寸固まっている隙に、八戒の両手がそのスウェットを膝下まで一気にずり下げ、足を抱えあげて裏股を押さえつけた。勢いで手元から跳ねた温かい液体が、露になった肌の上を伝う。八戒は膝立ちになって悟浄の脚の付け根を腕で押さえつつ、指先を袋の中で浮いている油に浸した。 色々と丸見えな体勢に耐えがたい羞恥を覚えつつ、半端に開かされた脚と留まる衣服の間から、濡れた指が迫るのを垣間見て悟浄は身構えた。 「ひ、ッ……」 まず、中指が浅いところに触れた。粘膜が剥き出しになった敏感なところを、よく温まった潤滑油で解される。あつい、と掠れた声が洩れると、指が余計に勢いを増して中へ潜った。ぐちゅ、と音が立つ。はじめから二本も挿れられているのに、油は本当によく滑ってあっという間に中程まで誘いこんだ。捩れた身体が危うく頭から落ちそうになると、汗ばんだ手に力が篭り、ソファの淵をきつく掴んだ。 襞を撫でる指遣いに内側が粟立つようで、そうやって感じてしまうと自然に弛んで腰も徐々に動く。開いた足の間に屹立するソレが段々濡れて反り返ってくる。そんな反応のひとつひとつを全て八戒に見下ろされていると思うと、悟浄は目を合わせられない。 段々ずり落ちてきた布から悟浄はもぞもぞと脚を抜き、床に放った。ちらと見やると八戒は服装を乱さぬまま、それなりに澄ました顔で――しかし眼だけは心持ちぎらつかせて――そこに指を咥えさせている。増えた指は中をぬめる感触で侵しながら難なく進んでくる。ふいに中指が曲げられるとスイッチを押したみたいに、宙ぶらりんの爪先が一瞬ぴんと張って、直後に熱い溜息がこぼれた。両方の呼気が少し荒くなる。 温かく湿った中から指が静かに引き抜かれ、八戒が漸くベルトを外してジッパーを下ろした。開襟のシャツは、身につけたまま。必要な部分だけが露になる。 「……大丈夫そうですね?」 指が抜けてさみしく濡れるところに、先端がそっと宛がわれた。八戒が覆い被さり、支えるように悟浄の腰に手を添える。そのとき初めて悟浄は本当に「何も」用意されていなかったことに気付き、ゴムくらい出せばよかった――と心の中で一瞬思った。ずぷ、と八戒が入ってきて体温が一度上がったように感じたときには、もうどうでもよくなってしまったが。 「ッ、ぐ……!」 どうも落ち着かない格好のまま、生々しく熱い肌の感触を受け入れる。中に染みた油と先から滲むもので十二分に濡れたソレはよく滑り、中を行き来しながら、時折ゆっくりと、いやに丁寧にかき回してくる。 「……も、焦らす、な……っ」 悟浄が動いたとき、繋がったふたりの視線が初めてぶつかった。身体ごと揺れながら浮かぶ、熱にうかされた翠の双眸。瞬きすら惜しむように、徐々に溶けてゆく悟浄を見下ろし、溺れて潤む。これ以上まともに見つめ合えば、あまりの熱に焼かれてしまいそうな。 「ちゃんと、見て」 きれいな眼――うっとりと囁いて八戒は、悟浄の頬に指を伸ばした。動きを緩めて、より体重をかけて、首を伸ばして、強引に唇をあわせる。 脚が圧迫され、挿入が少し深くなる。悟浄にとっては多少無理のある体勢だが、犯されていると頭いっぱいに意識しながら上で動く八戒を見ているより精神的には楽な気がして、自分から舌をとらえてきつく吸ってみせた。そのまま目を開けると、水を湛えて煌く湖底の色の瞳に、じりじりと焦がされるような、あべこべな感覚が不思議と快かった。 預けられた体重が重く、軋む腰に響く。それを紛らわすように仕掛ける深いキス。自然と八戒の首もとに回る、手持ち無沙汰の両腕。湿った長い髪を梳く八戒の細い指。濡れて光る右手は放っておかれた悟浄のソレを絡めとって扱く。刺激に悟浄がまた揺らぎ、掌が汗をかいた項の上で滑る。 また腰が動いたとき、中を満たすものはどくどくと脈打って蠢きだしていた。胸はくっついていないのに全身に八戒の心音が伝わってくるように感じ、それが自分と同じぐらい速いリズムを刻むことに悟浄は言い尽くせない愛しさを覚えた。余裕なんてない、と先立って告げた。その言葉には一寸の嘘もないのだと。 荒い二人分の息遣いの中、もう一度突かれたら、と悟浄が息を呑んだとき、急に奥まで満たしていたそれがぬるんと勢いよく引き抜かれた。 「ッ……!!」 とっさに奥歯を噛みしめ、八戒の肩口に添えていた掌に力を込めて耐える。全身に汗が湧き、ぱたっ、と先走りと混じったものが腹上に滴った。構えていたところを無理矢理に抑えたせいか、悟浄は全身をわななかせ、訳も分からず呆然と見上げる瞳には熱い涙を滲ませていた。膜を張ったような視界の中で、息をあげた八戒が問う。 「……ほんとに、出していいんですか?」 敢えてそんなことを訊くか。本気で心配したうえでの確認なのか新手の焦らしプレイなのか考える隙もなく、辛抱たまらない悟浄は浮いた脚で八戒の腰をぎゅっと捕まえ、離れた肩を強く引き寄せて、自分からその先端をまた交わらせた。あとで面倒だとか痛いとか、そんな話も確かに聞いてはいたのだが。ここまでどろどろのぐちゃぐちゃに掻き乱されて、今更冷静になるなんて馬鹿らしい。 饒舌にねだる身体に参らされたように甘い溜息をつくと、八戒は間もなく応えて突き上げ、一足先に全て吐き出した。 絶頂の只中に熱情を放たれる感覚に、悟浄はほんの一瞬だけ理性がきかなくなる程ふにゃふにゃにとろけて――恐らく絶対に見られたくない顔を晒してしまいながら――すぐに達した。 それは火曜日が水曜日に移ろうとしている頃のこと。 八戒から思い出したように「体調は お変わりありませんでした?」なんてメールが届いた。 悟浄は素直に「昨日ちょっと腹下した。今もビミョーに違和感ある。ついでに腰が痛え」と返した。 「僕の愛のせいですね」とハートマークつきの返信が来た。 危うく携帯が逆にへし折られかけた。 返す気も失せて悟浄は一方的にメールを切り、ベッドに横たわると傍らの充電器に携帯を置いた。 まだ身体の中のほうに、なんとなく残る八戒の爪あとを、決して悪くないと思う自分が居る。 ごそり、と。服の中に掌を潜らせてそこに触れれば、あの熱っぽい眼差しや掠れた声が、悟浄の目蓋の裏にあざやかに蘇った。顔や声が真正面にあったせいか、前よりもずっと強く八戒を意識していたらしい。指先を舐って少し挿れた。瞬間、外から鍵を回す音。反射的に指を抜く。 ――そうだ、バーの定休日。夕方から捲簾が居なかったのは仕事ではなく飲み会で、終電で彼が帰ることを悟浄は失念していた。 子供じゃあるまいし消灯した部屋を捲簾が覗くことはないと分かりつつも、彼が自室に戻るまで息をつめてやり過ごす。静かになると、また下肢に指を這わせた。 その流れでやっと、悟浄は気づいた。 自慰で後ろも弄るクセ。もう意識しなくなっていたが、それは元を辿れば、捲簾に構ってもらえない夜に空虚を独りで満たすための業だった、と。二人とも家にいる時間が減り、自然とあの習慣がなくなっていった頃、寂しさと物足りなさが募って特にひどく溺れた業。それをなんだかんだと続けていたから、「捲兄」へのなんとなく邪な想いを引き摺ってしまったのではないか。 捲簾さんですか――。 そう気取られてしまったのも。 僕を見ててください――。 目を覗き込まれて不安げに乞われたのも。 身体のまんなかで凝った女々しい未練が駄々漏れになっていたせい、だったのだ。ひとの気持ちはよく汲めるほうなのに、自分のこととなると鈍感なのが厄介だと悟浄は思う。 「……悪ィ」 届かないところで謝ったって意味はないのに。 相手の想いに甘えていたかもしれない、と悟浄は省みる。身体を許すとか、箇条書きにできるような事実だけが好意の表れではない。まっすぐに相手を見ることを、忘れていた。というよりそんな受け止め方を、対等な愛し方を、今まで一度だって知ろうとしなかった。 捲簾が特別な存在であるのは当たり前で、曲げようのないことで。でも本当に向き合うべき相手は今、別に居る。 「……ん、」 思い出しながら通り道を探るうちに、悟浄の体は否応なしに火照っていった。 二回とも、誘いをかけたのは八戒から。初めに切り出すにはどれだけ勇気が要ったろう、などと思いをめぐらせて、悟浄は愛おしさと不甲斐なさの混じったものの中に身を沈めた。 ――とにかく、くだんねえ意地を張るのをいっぺんやめて。次こそは、俺から。 先に触れて誘ったら、八戒はどんな顔をするだろう。らしくない、とからかうような苦笑。瞳だけに男くさい欲情を灯し、息を呑んで口を引き結んだ真顔。少し戸惑った後、嬉しげに髪を撫でながらの照れ笑い。 くるくる移り変わるその中で最後に想像した顔に、思いの外きゅんとして。 やがて熱があふれだして、間もなく心地よい眠気に支配されて。意識はそのまま、誰かの待つ甘やかな夢の中に溶けた。 2013-09-01 |